2022年09月11日

『非出世系県庁マンのブルース』刊行しました!



 高安書房による出版第一号として、高啓著『非出世系県庁マンのブルース』が完成しました。

 本書は、著者が山形県庁職員として経験したことを「県組織、関係者及び著者自身の清濁を併せて描いた」赤裸々な記録であり、エッセイです。
 いわば〝職業的自分史〟ですが、エピソードごとに物語化された記述の方法を採り、「山形県(または山形県政)における知られざるささやかな歴史を、幾許かは興味をもってもらえる形で、つまりは斜角から記録」するように工夫されています。
 また、「県職員もしくは自治体職員あるいは『公務員』という存在に対する固定概念に、いささかなりとも放蕩と遊撃の作風(ベタな言葉で言うと〝ロマン〟ということになる)が差し込む風穴を開けておくということ」を意図して書かれています。


『非出世系県庁マンのブルース』目次
 はじめに
 第Ⅰ章 秘密指令! 県費三五〇億円を防衛せよ。
 第Ⅱ章 ケースワーカーはキツネでござる
 第Ⅲ章 米沢の能舞台はなぜ空気浮上するのか
 第Ⅳ章 最後の紅花商人
 第Ⅴ章 介護事業所の個別ローラー作戦は許容さるべきか
 第Ⅵ章 要領の悪い歩行についてー山形県に採用されるまで―  
 職歴年表  
 あとがき


 山形県民の方はもとより、他県の方でも、公務職場に関わる方々、あるいは社会福祉に関わる方々に、ぜひお読みいただきたいと思います。

 B6版・並製・218頁。店頭の定価は1,800円+税(=1,980円)です。
 高安書房は、現在のところ、消費税をいただかない零細事業者ですので、直販分は1,800円、送料無料です。
 注文の仕方は、高安書房のホームページの「高安書房への発注方法について」をご覧ください。
  

Posted by 高 啓(こうひらく) at 11:18Comments(0)作品情報高安書房

2022年08月06日

高安書房、はじめました。





 高啓は、出版と書籍販売の個人事業所「高安書房」を開業しました。
 (ISBNコードを取得し、個人事業の開業届も提出しました。)
 
 当面、無店舗書店として高啓の著書(既刊詩集6冊)を、郵送で販売していきます。

 また、現在、高安書店初の出版として、高啓の職業的個人史の記録 『非出世系県庁マンのブルース』の刊行作業を進めています。
 10月1日発行予定です。

 今後、高啓の著作をメインとして、依頼があれば他の方の著書の出版・販売も手掛けていく予定です。

 高安書店のホームページはライブドアブログに設置しました。
 下記のURLからご覧ください。

 https://takayasushobo.officialblog.jp/

 
  

Posted by 高 啓(こうひらく) at 12:55Comments(0)高安書房

2022年04月05日

現代詩講演会(阿部宏慈氏)





 本記事最初の掲載時のチラシにあった連絡先電話番号に誤りがありました。
 訂正したものを上記に掲載しています。


 山形県詩人会は2022年度総会の開催に併せて、以下の通り現代詩講演会を開催します。
 この講演会は一般に公開します。

 山形県詩人会 現代詩講演会 
 「今、詩的なるもののありかをめぐって
      ―擬似現実の支配する時代に詩は可能か―」


  講師:阿部宏慈氏(山形県立米沢栄養大学・山形県立米沢女子短期大学学長、フランス文学・表象文化論)

 「いま、詩は、どこにあるのか。デジタルという名の不連続と仮想性に覆われた、匂いも手触りも希薄な擬似現実の支配する時代に、それでもなお生身の身体を抱えた私たちは、詩をどこに見つけ出すことができるのか。」

 フランス文学者であり、ドキュメンタリー映画を含む映像表現について思索を続ける研究者でもある阿部宏慈氏は、詩集『柄沼、その他の詩』で第20回山形県詩人会賞を受賞した詩人でもあります。
 “今、この時代に、私たちはどこに詩を見つけだすことができるのか”という根源的な課題についてお話しいただき、ともに考えてみたいと思います。一般の方もふるってご参加ください。

  日 時 :2022年4月24日(日)15:00~16:00 (開場14:50)
  会 場 :山形市 遊学館 3階「第三研修室」  参加費:無料  
  主 催 :山形県詩人会   
  申込み:山形県詩人会事務局(高啓(こうひらく)方)
 

参加希望者は電子メールで4月21日まで右記に申し込みください。 yamagata_poesyあっとまーくyahoo.co.jp

  【お願い】 当日、同会場で14時から山形県詩人会総会を開催します。
        一般参加者は14時50分まで入場できませんので、3階ロビーでお待ちく
        ださい。

        県立図書館駐車場(遊学館西側隣接平面及び文翔館東側隣接立体)を
        ご利用の場合は、入館時と退館時に入口で駐車券を提出して電磁的処理
        を受けると2時間まで無料となります。


  

Posted by 高 啓(こうひらく) at 10:27Comments(0)山形県詩人会関係

2022年02月12日

やまがた現代詩ミニミーティング開催





 山形県詩人会は、2022年1月22日(土)の午後、山形市の遊学館において「やまがた現代詩ミニミーティング」を開催しました。

 このイベントは、参加者各自が最近各詩誌に発表した作品や直近発行の詩集を対象として提出し、相互批評を行うものです。
 いわば県レベルの作品合評会という感じ。褒め合いにならないよう忌憚ない意見を交わすことを心掛けています。
 
 この日に批評の対象とされたのは以下の通り。
 1 高橋英司「別人」(「新山形詩人」10号掲載)
 2 近江正人山新「ふるさとを詠う」掲載の「立ち止まる芭蕉」、「冬来たりなば」及び「明日への便箋」(「新山形詩人」10号掲載)
 3 相蘇清太郎 「窓のなかの風景」(「シテ」26号掲載) 
 4 松木裕人「庭に陽の差す縁側で」(「新山形詩人」10号掲載) 
 5 大森杉子「机の上」(「シテ」29号掲載)
 6 高橋英司詩集 『野道にて』
 7 高啓詩集 『二十歳できみと出会ったら』

 新型コロナウイルス感染拡大の影響もあり当日は10名の参加でしたが、酒田市から3名のほか、長井市、新庄市など遠方からの参加者もあり、2時間30分があっという間に感じられる充実した相互批評の時間を持つことができました。

 余談ですが、当初は懇親会を予定しいたのですが、コロナ禍のため中止。でも、参加者中3名が当日山形市に宿泊することになっていたので、筆者と4名で近くの居酒屋においてささやかな懇親会を開催しました。
 顔を合わせ直接議論を交わすことの大切さを改めて実感しました。









  

Posted by 高 啓(こうひらく) at 10:49Comments(0)山形県詩人会関係

2021年09月13日

講座「佐々木安美の世界」



 

 山形県詩人会が後援するイベントの紹介です。

 大石田町民大学「地域学講座」 佐々木安美の世界


 講師 詩人 佐々木 安美 氏 
 
 【講師プロフィール】
  1952年大石田町鷹巣生まれ。 高校入学の際に上京。東京都在住。
  1987年、詩集『さるやんまだ』第37回H氏賞を受賞した。1990年に第4作目の詩集となる『心のタカヒク』を発表。
  2011年、詩集『新しい浮子 古   い浮子』で第20回丸山豊記念現代詩賞を受賞した。
  2021年6月新詩集『息』出版。


 日時  令和3年10月16日(土) 午後2時~4時 

 会場  大石田町町民交流センター「虹のプラザ」  多目的ホール


 ☆対談 松下 育男 氏(神奈川県在住)
   1950年福岡県生まれ。1979年、詩集『肴』でH氏賞受賞。
   2005年、佐々木安美と同人誌『生き事』を創刊する。
   著書『松下育男詩集』 (思潮社)2019年、
      『コーヒーに砂糖は入れない』(思潮社)2021年 他多数。

 ☆協力 酒田詩の朗読会
   朗読:阿蘇 孝子 氏・本間 美智 氏、ギター演奏:佐々木 正 氏
   酒田市出身の吉野弘が亡くなる2014年から、彼の詩を読む「宝の日」を毎年
   開催、「奈々子に」で知られる娘さんも招いて朗読会を行っている朗読グループ。

 ☆協力 大石田町地域おこし協力隊・ダンサー 大橋 武司 氏
   独自の観点からダンスを切り開く若きクリエーター・コンテンポラリーダンサー。
   愛知県出身

 受講申込
   大石田町町民交流センター「虹のプラザ」事務室
   TEL:0237-35-2094 FAX:0237-35-3811

  

Posted by 高 啓(こうひらく) at 14:23Comments(0)山形県詩人会関係

2021年05月06日

第20回山形県詩人会賞授賞式




 2021年4月24日(土)15時から、山形市の遊学館3階第二研修室において、「第20回山形県詩人会賞」授賞式を行いました。
 例年、この時期に山形県詩人会の総会を開催し、その中で授賞式を行い、受賞者にスピーチをしてもらうことにしていますが、コロナ禍により、昨年度に引き続き総会を中止し、理事を中心に少人数で授賞式のみ行うこととしたものです。

 授賞式では、相蘇清太郎理事から選考経過及び受賞詩集の選考理由の報告を行い、高橋英司会長から賞状と副賞(5万円)を、柏倉千加志理事から花束を贈呈しました。
これを受け、受賞した詩集『柄沼、その他の詩』の著者・阿部宏慈氏は次のようにお話されました。

 「この詩集は私の30年来の詩作の総まとめです。<柄沼>は実際にはどこにもない沼ですが、その一方で、私が山形に来て自然に触れ、鳥たちに触れることによって現れた沼だとも言えます。この詩集に東日本大震災について書かれた作品たち(「Lamentoのための素描」)を含めるかどうか悩みましたが、全体として一つにしないと自分としては納まりがつかなかったのです。自分が山形にいるなかで、自分が育ってきた世界(宮城県沿岸部)が変わっていくことを考えたとき、これもひとつの箱の中に入れたいと思ったのです。それを山形の皆さんに読んでいただけたことは嬉しく思います。
 書肆山田の鈴木一民氏にお会した際、書きためていた作品を詩集にまとめることを勧められ、この詩集を刊行しました。詩人会の皆さんの作品も読んでいましたし、詩人会の存在も知っていましたが、人見知りできました。この詩集を発表したことで、こうして山形の詩人の仲間に入れてもらえたことを嬉しく思います。
 <柄沼>はまだまだ書き切れていません。この先を考えています。せっかくなので山形の詩の世界にもかかわっていけたらと思っています。」(文責・高 啓)

 なお、この授賞式は翌日の山形新聞で報道されました。





 授賞式出席者:向かって左から、柏倉千加志理事、伊藤啓子会員、近江正人理事、高橋英司会長、受賞者・阿部宏慈氏、相蘇清太郎理事、高 啓。

 
  

Posted by 高 啓(こうひらく) at 12:34Comments(0)山形県詩人会関係

2021年04月06日

第20回山形県詩人会賞

【山形県詩人会情報】






 2021年度・第20回山形県詩人会賞は
 阿部宏慈詩集『柄沼、その他の詩』(2020年3月5日刊/書肆山田)
 に決定しました。

 授賞式は例年山形県詩人会の総会に合わせて実施してきましたが、コロナウイルス感染状況に鑑み、昨年度に引き続き今年度も総会は中止とし、少人数での授賞式のみ、4月24日(土)15時から、山形市の「遊学館」3階第二研修室で執り行う予定です。


【選考経過】
 2020年1月から12月まで事務局によって確認された県内在住者による詩集等は、刊行順に、阿部宏慈詩集『柄沼、その他の詩』、万里小路譲評論『哀歓茫々の詩人・菊地隆三への旅』、鈴木康之遺稿詩集『越冬』、万里小路譲詩論集『詩というテキストⅢ 言の葉の彼方へ』、小林功詩集『月山の風』、高啓詩集『二十歳できみと出会ったら』、高橋英司詩集『野道にて』の7作品。これらをもとに、3月27日、第20回山形県詩人会賞(山形県詩人会主催・会長高橋英司)の選考会が開かれた。
 万里小路譲評論及び詩論集、高啓詩集は、著者が本賞の過去の受賞者であること、また鈴木康之遺稿詩集は作者が物故者であることから、従来の申し合わせにより、選考対象外とした。また、高橋英司詩集については著者から選考からの辞退の申し出があり、選考対象外とした。いずれも、それぞれ独自の方法・スタイルで詩世界を切り拓き、深く詩的真実を追究した成果であり、詩という芸術の分野で、本県における文学的達成の豊穣さを示した充実の年となった。
 候補作として検討した2作品のうち、小林功詩集『月山の風』(コールサック社)は、月山を仰ぎ鳥海山を眺望する風景の中を歩き、自然と交感しつつ、心象風景をくっきりと切り取り、簡明な言葉で詩作品に鮮やかに仕立てたものである。画家でもある著者にとっては、詩も絵画もひとつの大きなアートであり、作者の全人格を傾けた達成として人々に喜びを与える詩集であると評価された。
 一方、阿部宏慈詩集『柄沼、その他の詩』は、「柄沼」「夢の設営」「鳥の歌/記憶の歌から」「Lamentoのための素描」の4パートからなり、それぞれが一冊の詩集ともいえる重厚な詩集である。柄沼(つかぬま)という沼地へ渡り入り、その実在と架空の境界の記憶と意識をたどり、著者の幼年からの時間、とりわけ青年期の彷徨を現在のものとして反復する。その「時間・記憶・意識」の卓越した記述。夢の中でしか見出せない時間の表現。鳥の名の頻出する風景の詳細な展開。東日本大震災被災地の、著者に親しい地名の一つひとつを一行書きにした連打と連呼。劇中劇として能を演ずる語り。それらの優れた特色によりこの詩集は、東日本大震災前―震災後の記憶の変容をも表出する新たな達成の詩集であることから、阿部宏慈詩集『柄沼、その他の詩』を本年度の山形県詩人会賞に決定した。 (文責 担当理事 相蘇清太郎)

【受賞者略歴】
 阿部宏慈(あべ・こうじ):1955年仙台市生まれ、山形市在住。東北大学文学部卒業。フランス政府給費留学生としてパリ第3大学留学。山形大学でフランス文学・思想、映像学などを講じた。山形大学副学長を退任後、現在、山形県立米沢栄養大学学長・同米沢女子短期大学学長。故・渋沢孝輔主宰の詩とエッセイの同人誌『Thyrse』(ティルス)に発表した作品が、受賞詩集の作品の基となっているとのこと。著書:『プルースト 距離の詩学』(平凡社)、訳書:ミシェル・セール『カルパッチョ 美学的考察』(法政大学出版局)、ジャック・デリダ『絵画における真理』(共訳、法政大学出版局)など。
  

Posted by 高 啓(こうひらく) at 18:38Comments(0)山形県詩人会関係