2008年04月06日

「山形詩人」60号

「山形詩人」60号

 『山形詩人』60号(2008年2月20日発行)に、詩「初期詩篇3 棲息者への手紙」を発表した。

 『山形詩人』58号に発表した「初期詩篇1 ヨハンへの手紙」、同59号の「初期詩篇2 ジャンへの手紙」、そしてこの5月に発行される予定の同61号に寄稿した「初期詩篇4 ジョルジュへの手紙」の4編は、いずれもじぶんが22歳のときに自作したガリ刷の詩集『ヨハンへの手紙』のなかの作品を若干手直ししたものである。
 もっとも、当時の青臭さが抜けないように修正はごく一部にとどめた。

 詩集『ヨハンへの手紙』は、自分でガリを切って演劇研究会の部室の謄写版で印刷し、35部作成した。芝居の台本は全部ガリ版印刷で作っていたから、当時はガリ切りは手馴れたものだった。
 いま、こうして文章を書くのにもっぱらキーボードを使うようになって、手指の筋肉が衰弱し、じぶんの字はひどいものになってしまったが、このころはまだまともな字が書けていた。

 印刷した詩集は、表紙のデッサンを送ってくれた友人のY(この人物を想定して創作したのが“ジョルジュ”)をはじめ、身の周りの人たちに配った。
 山大前の通りで「犀」という喫茶店をやっていた岩井哲氏を通じ、当時は市会議員で詩を中心とした山形県内における文学の仕掛け人という風だったA氏などにも手渡たされたことから、まだ学生だったじぶんをめぐる人間関係が少しずつ広がっていった。

 ちなみに、「初期詩篇3 棲息者への手紙」の“棲息者”とは、ある人物を想定して創作したものだが、その人物の30年後が、詩集『ザック・デ・ラ・ロッチャは何処へいった?』のなかの作品「エーテル論」に出てくる先輩である。

 風の噂では、この春、この「棲息者」は「彷徨者」になったようだ。





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Posted by 高 啓(こうひらく) at 18:50│Comments(0)作品情報
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