2010年11月21日

モンテぶらから観照記 その5 大宮行



 前回、第28節の浦和レッズ戦まで言及した。今回は、第29節の大宮アルディージャ戦と第30節のセレッソ大阪戦について記す。

 モンテは、第28節のアウェイで、台風の風雨のなかの激戦で浦和に勝利したのに引き続き、11月6日に第29節の大宮戦をこれまたアウェイで迎えた。
 山形から駆けつけやすい大宮ということで、東京への小旅行がてら「NACK5スタジアム大宮」に観戦に出かけた。
 
 大宮駅に降りたつのは初めてだった。
 大宮という土地がどんなところなのか、ほとんど事前に調べないで訪れたのだったが、その街の印象は、事前に思っていたのとは少し違った。
 駅の東口を背にして立つと、左手に小さな店舗がならぶアーケードの小路があって、右手には歓楽街がある。この小路の店々には大宮アルディージャのフラッグが掲げられていた。
 駅前の大通りを少し歩くと右手に高島屋デパート。そして旧市役所(現さいたま市大宮区役所)・・・このあたりで、大宮区役所と反対側、つまり北へ向かって大門町商店街の路地に入る。この路地を進んでいくと間もなく「オレンジロード(一の宮通り)」と名づけられた通りとの交差点に差し掛かる。オレンジロードでは、街灯やプランターが大宮アルディージャのチームカラーであるオレンジ色に塗られている。この通りを歩いていくと、やがて氷川神社の鳥居のある交差点に至るが、その角に大宮アルディージャのオフィシャルショップ「オレンジスクエア」がある。
 大門町商店街からオレンジスクエアまでの区間は、小さな飲食店や商店が立ち並ぶ庶民的な路地で、なかなか風情がある。時間があればもっとゆっくり雰囲気を味わって歩きたいと思った。
 また、駅の右手に入ると、すぐに歓楽街があり、たくさんの飲食店が軒を並べている。もっとも、この歓楽街のメインの通りに面した店はほとんどがチェーン店の居酒屋で、なかなか入りたいと思うような店が見つからない。それで、少し東に向かう路地に入り、区役所の方向に歩くと、地元のローカルな店が並んでいた。

 さて、最初の写真は、氷川神社の参道の鳥居から撮影したもの。この参道の雰囲気はなかなかいい。
 神社、すなわちNACK5スタジアムの方向に歩いていくと、途中に区立図書館があったので、ちょっと入ってみる。古い建物で、閲覧室は狭く、一般貸し出し用の開架図書室には、わずかに椅子があるばかりで机がない。二階には調べ物用の椅子と机のある部屋があるが、蔵書の印象も含めて、旧大宮市の人口規模の割には、やや貧相な図書館だという印象を受けた。
駅の東側を少し歩いただけで言うとすれば、大宮という街は、氷川神社の門前町として栄えた旧い街という印象である。




 「NACK5スタジアム大宮」は、大宮公園の一画に建設されたサッカー専用スタジアムである。野球場にぴったりと隣接しており、かなり狭い土地に無理して建設したという感じで、ちょっと狭苦しい。サッカー専用スタジアムなので、ピッチとの距離が近く、ゲームの迫力が伝わってくる点は魅力だが、なにしろメインスタンドとバックスタンドに奥行きが無く、その分の座席数も少ないためか、メインスタンドとバックスタンドは、前売りでも5,000円と入場料が高い。また、その両サイドの席も3,500円ほどするのだが、座席がピッチに近い分、このサイド席からの視野の角度がきつくなり、隣に客が座っていればピッチ全体はちょっと視にくくなりそうである。
 こんな状況なので、じぶんは、2,000円のビジター席の最上段、大型電光掲示板の近くに席を取った。ビジター席は、ピッチに面した部分は立ち席になっていて、ゴールに手が届きそうな距離。2階以上は個別のシート席だが、このビジター向けの区画は、下から上までモンテのサポでほとんど埋まった。対面するホーム自由席に陣取る大宮サポの数にひけをとらないほどのモンテ・サポやモンテ・ファンが駆けつけていたのである。

 試合開始前には、大宮アルディージャの新社長がピッチに出て、例の入場者数水増しのお詫びの挨拶を行い、その後、四方の観客席の前を頭を下げて回った。人のいいモンテ・サポは、これに拍手で応えていた。
 この日の入場者数は8,457人。この時点では、大宮はモンテより下位で降格争いに巻き込まれていたので、残留争いを脱出するためには同じく下位のモンテに是が非でも勝利したかったはずである。そういう大切な試合なのに、モンテ・サポが2,000人以上押しかけたことを考えれば、地元ファンの入り具合はとうてい褒められたものではない。そういえば、山形に遠征してくる大宮サポはとても少ない。監督を鈴木淳(J2時代の元モンテ監督)に替え、FWにラファエルを起用して波に乗ってきた大宮とはいえ、もう少し地元のサポート体制を強化する必要があるだろう。

 試合のほうは、前半はモンテが押し気味に試合を進めていたのに、前半終了間際に一瞬の隙を突かれ、ラファエルにゴールを決められた。少ないチャンスをしっかり決めるラファエルの動きには感心してしまった。(苦笑)
 後半は、モンテの石川達也がフリーキックを直接ゴールに蹴り込んだ。これはモンテのビジター席に向かってくる目の覚めるようなシュートで、決まった瞬間、ビジター席はたいへんな興奮に包まれた。これがあるからモンテの観戦はやめられない・・・。
しかし、同点にして、これからという時、モンテに守備の乱れが生じ、またも少ない機会を捉えられて、交代で出場したばかりの石原に得点を奪われる。大宮の選手は、1点リードすると見違えるように動きが活発になった。モンテは、再びリードを許してからは最後までペースをつかめず、そのまま1−2で敗北。大勢詰め掛けたモンテのサポたちは、ゲームの終了後、いつものように選手たちに温かいエールを送りつつも、皆どっと疲れが出たとでもいうように肩を落としてスタジアムを後にしていた。
 ・・・鈴木淳は、やはり、恐るべし、である。




 さて、こんな悔しい負け試合のあとの第30節のホームゲームは、今季J1復帰で上位に駆け上がっているセレッソ大阪戦であった。このゲームもまた、とても悔しい結果に終わった。
 前半、滑り出しの良かったモンテが、北村の速攻で1点先取したものの、セレッソのコーナーキックからヘディングで同点を献上し、そのまま後半へ。
 後半では、信じられないことに、これまた速攻で長谷川悠の技ありゴールが決まる。長谷川はこれがリーグ戦での今季初ゴール。スタンドは大いに沸くが、セレッソはこの長谷川のプレーがハンドの反則であると抗議して、ゲームが中断する一幕もあった。
 この後、モンテはさらに田代のゴールで、なんと3-1と、強豪のセレッソ相手に、勝利の期待を濃厚に抱かせる“意外な”展開になり、スタンドは興奮に包まれた。
 しかし、長谷川を下げてキム・ビョンスクを出したあたりからセレッソに波状攻撃を許し、90分とロスタイムの3分に得点を奪われ、まさかの引き分けに持ち込まれてしまった。
 モンテが守備の意識で一枚岩になりきれていなかったことと、本気になったセレッソの激しいプレッシャーに、時間稼ぎのボール回しが上手くできず、相手陣地に向けてロングボールを蹴るだけの単調な守備に陥ってしまったことが悔やまれる。
 まぁ、3点を取ってリードしたと言っても、この試合では、前半からロングボールを出しての速攻というワンパターンの攻撃しかさせてもらえなかった。この相手に引き分けたということは、むしろ評価すべきことなのかもしれない・・・長谷川も得点できたことだし・・・ああ、だがため息が漏れる・・・どこまでファンをハラハラさせるチームなんだ・・・あっは。




 モンテは、この後、11月17日の天皇杯4回戦で、リーグ戦では今季1分け1敗の川崎とアウェイで対戦。延長戦の末、PK合戦を制して、なんとなんと川崎に初勝利をあげた。
 そして昨日の第31節では、アウェイでジュビロ磐田と対戦。モンテにとって磐田は相性のいい相手なのだが、磐田はナビスコカップの優勝など、このところ調子を上げてきていたのでどうなるか心配していたが、やはり0−0で引き分け。大宮が勝利したことで、モンテは順位を14位に落とした。(勝ち点37で大宮、仙台、山形が同点だが、山形が得失点差で14位。)
 残りはあと3試合。23日のホームでの京都戦。27日のアウェイでの東京戦。そして最終戦はホームで鹿島を迎え撃つことになる。
 最終局面で残留争いに巻き込まれたモンテ。次節の京都戦にはなんとしても勝利しなければならないところに追い込まれている。

 ところで、セレッソ戦は日曜日の夕方からだったことや、セレッソが山形では人気のないチームだったこと、セレッソにいわゆるスター選手がいないこと、そのうえ寒さも手伝って観客動員は7,712人に留まった。J1で2年目の今季、コアな観客は8,000人程度だと読んでいたじぶんの予想が、意に反してほぼ当たる格好になってしまった。・・・モンテの年間観客動員数は、J1に昇格した感動があった昨季より落ちているのではないか・・・。
 モンテの残留を願う県民がどれだけいるのか、寒さの増す11月の末、それも19時30分キックオフという環境で、そのことが試されることになるだろう。「県民応援デー」として前売りを1,500円にしたのは当然の選択だった。ここがモンテ残留の天王山であり、残留を願う県民の真価が試される時でもあるだろう。


※ 写真の3枚目は、セレッソ戦開始前のNDソフトスタジアム。稲藁を焼いたような煙と臭いがスタジアムを包んでいる。・・・これが山形らしさ?
  4枚目はセレッソのサポーター席。遠いところご苦労さまでした。
                                                                                                                                                                                                      



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