2015年04月25日

第14回山形県詩人会賞&秋亜綺羅氏の講演・朗読









 去る2015年4月18日(土)、山形市の山形グランドホテルで「平成27年度山形県詩人会総会」が開催された。また、総会後、「第14回山形県詩人会賞」の表彰式が行われ、さらに仙台市在住の詩人・秋亜綺羅氏の講演・朗読会、そして祝賀と懇親の会が開催された。

 まず、総会の報告から。

 山形県詩人会は、今年度2名の新入会員を迎え、58名となった。
 高橋英司氏(河北町在住)を会長、万里小路譲氏(鶴岡市在住)を副会長、松田達男氏(山形市在住)を事務局長とする体制は前年度と変更ないが、各理事の役割分担を明確にして活動の活性化を図ることにした。
 理事のひとりである高啓は、近江正人氏(新庄市在住)とともにイベント企画・実施の担当となった。
 そこで、高啓は総会に「山形県詩人の作品朗読会」の開催(6月中開催を想定)を提案し、承認された。これは、山形新聞に連載中の「やまがた名詩散歩」(執筆者の殆どが詩人会会員)と呼応する企画。


 次に、「第14回山形県詩人会賞」の表彰式について。

 今回の詩人会賞は、平成26年1月から12月までに発行された詩書(詩集や詩論集など)10作品を対象に、県詩人会会員の投票を参考として、理事会(対象詩集の作者を除く)で選考した。
 議論の結果、遠藤敦子「禳禱(いのり)」(土曜美術社出版販売)と久野雅幸「帽子の時間」(空とぶキリン社)のダブル受賞となった。
万里小路審査委員長のコメントから引用する。






 「遠藤敦子詩集『禳禱』は、三十年を超える詩作の総決算の書であると同時に、自らの半生と世の事象を祈りを込めて振り返った詩集。「禳」は神を祭り災いを除く意、「禱」は幸福を求めて祈る意。詩集のタイトルに暗示されているように、災いを祓う禳災と祈り願う祈祷に熱く、言葉を綴る営みの切実さがひしひしと伝わってくる詩集である。理不尽なことに対する怒りや弱者への憐れみもまた織りこまれ、他者へ向ける温かい眼差しと自己をみつめる視線は厳しく強靭である。」







 「久野雅幸詩集『帽子の時間』は、遠藤敦子詩集『禳禱』の切実で重い思念の世界とは対照的に、斬新で意表を突く発想が豊かな世界を切り拓く詩集。日頃、人間に使用される帽子という存在にスポットライトをあて、思いも寄らぬ内省の世界が涌き出る意外性とその愉楽は、しかし生きていることの孤独と悲しみに裏付けられている。また、ウイットとユーモアもまた軽やかなフットワークで醸成され、発見される時間のありようを追い求め紡いでゆくその表現力は卓越している。詩作における新たなアプローチをこの詩集に見て取ることができる。」

 「最後の絞り込みによって遠藤敦子詩集『禳禱』と久野雅幸詩集『帽子の時間』が残ったが、両者に優劣をつけがたく、この二作を本年度の山形県詩人会賞に決定した。」


 その後、秋亜綺羅氏による『ことばが先か、詩が先か』と題した講演と自作詩の朗読が行われた。

 秋亜綺羅氏は、宮城県の高校の演劇部員の合宿の講師を務めており、30人くらいの生徒と2日間一緒に過ごすとのこと。そのなかで交流する演劇部員たちのことばや行動・演戯を紹介しながら、次のようなことを述べた。
 「生まれたばかりの子とその子を抱く母の間にことばはないが、詩はあるのではないか・・・。
 夕焼けと自分との間に詩が生まれる。でも、それをことばにしようとしたときには詩が終わっている。詩を作りたいという想い、それはもうひとつの夕焼けを創ろうとして詩を書いている想いである。・・・自分なりの夕焼けを創ろうとして、詩人たちは詩を発表するのだと思う。
 ことばは道具に過ぎない。しかし、その道具は頭に入り込み、頭にとどまる。そこから、ことばは暴力にもなる危険なものだということがわかってくる。『ことばは事件そのもの』(寺山修司)ということがわかってくる。」
 「『どうすれば詩がうまくなる?』と訊かれたら、「詩はヘタでなくちゃ」と答える。私の朗読は叫ぶことが多い。それは、隣にいる女性を好きだと思っても私のことばが届かないから。ふたりの間には<現在>という巨大な壁がある。近くのひとにことばを伝えることができない。その巨大な壁をくぐり抜けるために現代詩は生まれた。だから私は叫ぶ・・・」
 講演に引き続き、秋亜綺羅氏は5編の作品が収録された小詩集「フランクフルト幻視」(この日のために印刷して参加者に配布してくれた)という詩集を、ロックやポップスの音楽にあわせて朗読した。
 普段は舞踏とのコラボレーションで朗読しているとのことである。


 祝賀と懇親の会では、受賞者のあいさつに続いて、遠藤敦子詩集については理事の井上達也氏(南陽市在住)が、久野雅幸詩集については近江正人氏が評価を述べた。
 みんなに少しアルコールが入ってくると、高橋英司氏がコメント者に自席から不規則発言で質問を浴びせたり、受賞者が講演者の講演内容の一部に異論を唱えたり、その異論に司会の高啓が異論を述べたりして、いつもの(「山形詩人ミーティング」のような)ざっくばらんな(酔っ払いの?)議論の会の雰囲気になっていった。
 秋亜綺羅氏は、異論に応えつつ、「宮城県詩人会では(祝賀会が)こんな議論の場になることはない(笑)」と感想を述べていた。
                                                                                                                                                                                                                                                                                 
 




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Posted by 高 啓(こうひらく) at 19:16│Comments(0)山形県詩人会関係
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