山形市民会館 進め方の問題(2)経過報告

高 啓(こうひらく)

2025年03月12日 09:41




 この一連の書き込みの核心となる「事業の進め方の問題」について早く論を進めたいと思っているのだが、またまた記しておかなければならないことができた。

(1)意見聴取会の様子

 3月5日、山形市の意見聴取会が開催された。対象者は山形市芸文協会の演劇、日舞、新舞、能楽関係の理事。(筆者は対象外なので出席せず)
 このとき出席者した理事の一人が、筆者のブログをプリントアウトしたものを市当局に手渡し再考を求めたという。
 市当局の回答は「これまで意見聴取会を重ね、市民対象にシンポジウム、ワークショップを開催し、3月1日付の市報でも広報すすめている。設計関係者はゆるぎない計画のもと進めており、大きくはすでに変更の余地はない」という趣旨の回答があったとのこと。
 また、筆者が指摘した非対称な大ホールについては「センターラインがわかり、舞台の中心位置が分かるような工夫をする。」、調整室が張り出して後方客席の半分を潰していることについては「ホワイエの広さを確保するためそうせざるを得ない」との回答だったのこと。
 なお、調整室が張り出して後方客席の半分を潰していることへの批判は他の会議でも上がったようで、これに対しては「後方の窪んだ部分の客席のチケット代を安くする」などを検討していくとのことだったそうである。(ごめん、呆れる・・・)

 ようするにどんなに指摘されても「ゆるぎない」自信(?)でこのまま突き進んでいこうとしているわけだ。これから建設費・維持費を背負っていく市民のごく普通の願い(まっとうな形状のホールにしてほしいという至極シンプルな要請)より、業者の都合(素人にミスを指摘されて設計変更したくないというメンツや手間暇のサボタージュ)を優先させるということである。
 だが、今後50年以上市民が使用していく施設である。しかも、このホールの形状の欠陥については昨年10月から指摘している。「もう遅い」というのは通じない。そもそも山形市が「基本設計モデルプラン」でノーマルな大ホールの平面図を作成していたではないか。
(前回の本ブログ書き込み参照)

 山形市は痩せても枯れても「県庁所在地」である。それなりのレベルでなければならない。
 文化ホールは実はその都市のレベルを体現する存在である。プロの文化・芸術・芸能関係者(演出家・出演者・演奏家・スタッフ・プロデューサー・営業担当者ら)がこのホールを訪れる。そのとき、まずこのホールの印象がこの街の印象となる。そしてかれらはホールの印象をその業界の人々と情報交換する。
 また、山形市に新しい市民会館が完成したということで、全国各地から視察の人々が訪れることだろう。こういう人々はこの「いびつなホール」を見て、ほぼ間違いなく首を傾げると思う。はっきり言えば、新山形市民会館はホール設計の「失敗事例」として人口に膾炙するだろう。(自治体の文化施設整備担当者として全国各地のホールを視察し、各施設の職員から説明を聴いて歩いた経験のある筆者はそう断言できる。)

(2) 佐藤孝弘山形市長へのお願い

「これまで意見を述べてきましたが、ほとんど取り上げていただいていません。市民が171億円以上を負担して建設し、これまでに比べてかなり高くなりそうな維持費用を負担し、50年以上も利用していくホールです。どうぞ、ここでいったん立ち止まり、再検討をお願いいたします。」
 ・・・こんな趣旨の文章を山形市のHPの意見・提言のコーナーに投書しました。
 市長ご自身に届くことを願っています。


関連記事