オディロン・ルドン展へ行く

高 啓(こうひらく)

2007年08月07日 12:02


 お盆は休みを取れないので、一足先に夏休みを取って上京した。
 
 丸の内のオアゾの「つばめキッチン」でハンブルグ・ステーキを食べて、 渋谷のBunkamuraザ・ミュージアムで開催中の「ルドンの黒」展を観た。

 ルドンの作品は、期待したほど面白くはなかった。昨年のエッシャー展の印象が鮮明だったから、期待はずれという思いがやや増幅されたのかもしれない。
 ルドン自身が手放さなかったという油彩の風景画の方が、よかったりして。
 ただ、彼が活躍した時代が印象派と同じ時代だということを知って、へぇ〜と思った。
 今の感覚で観るからたいして面白く感じないので、当時としてはかなり斬新あるいは異端的だったのだろうとは思える。

 作品展について言うと、解説文にやや違和感を覚えた。誰だか知らないが、解説者の時代観が一方的かつ断片的に語られ、それが作品解釈を決め付けている。
 作者や作品の解釈が匿名(・・・ライターの名が表示されていたのに私が気付かなかったのかも)で、その解釈の思想的根拠というかパースペクティヴも示されずに放出されている。美術界って、こんなのが許される世界なんだ・・・とやや辟易。
 と言っても、もちろん、あたりさわりのない解説を是としているわけではない。



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