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2011年06月16日

2011 モンテ観照記 「モンテ危うし」



 東日本大震災で中断する前3月の開幕戦・対川崎のゲームについて記述して以来、このブログでモンテの話はご無沙汰だったが、ここまでホーム開幕戦(第7節)の対セレッソ大阪戦(4月24日)、第9節の対柏戦(5月3日)、第14節の対鹿島戦(6月11日)と、ホームで3試合を観戦し、いろいろと思うところはあった。

 このちゃちでたまにしか更新されないブログを、それでも毎度チェックしてくれている読者が幾人かいるようだが、どうもそういう諸君はモンテの話に興味がないようである。(「近頃はサッカーの話ばかり書いているねぇ・・」などとつまらなそうに言われたこともある。)
 たしかに、山形に縁のある人間か余程目配りしているサッカーファンでない限り、この地味で弱体なプロビンチアに関心を持たないだろうとは思う。
 だが、モンテを観照する意味と面白さは、たしかにある。無駄な話にも耳を傾けてやろうかと、すこし余裕をもってこの系統の文章につきあっていただければ幸いである。

 ここまでJ1公式リーグ戦10試合を終え、モンテは1勝7敗2分で18位。すでに降格の危機が迫っていると言わなければならない。なぜなら、ここまでの戦いを見ていて、“勝てる相手”が想像できないからだ。
 第7節(実質第2節)のセレッソ大阪戦で引き分け、第8節のガンバ大阪戦には破れたものの、第9節の柏戦に勝利したところ(1勝2敗1分)までは、むしろまずまずの出来だった。
 その次に当たる磐田はなぜかモンテと相性がよく、大宮もホームなら勝つ可能性がある相手。その次の仙台とは燃え上がる“みちのくダービー”で、昨年はホームでは快勝していた。そして、次の甲府は、これは“勝てるはず”の相手、“勝たなければいけない”相手だったからである。
 しかし、小林監督が“勝ち越したい”と望んだこの「中位クラス」の4チームとの対戦成績は3敗1分に終わり、次の第14節のホーム・鹿島戦は、やはり相手の上手さにしてやられて完敗。第15節のアウェイ・清水戦は、例の問題レフリーに裁かれる試合で、ゴールしたPKのやり直し判定やロスタイムの如何わしいファウル認定などもあって惜敗したが、これでは、“いったいどこになら勝てるんだ!?” “ライバルはベガルタでもアルビレックスでもなく、ブラウビッツ秋田(JFL)かぁ!?・・”などと思わずにはいられない。

 ホームゲームで直近の鹿島戦を振り返りながら、勝てない原因とその対策を考えてみたい。
 このゲームでは、前半の前半分くらいまでは、中盤で攻めあういい展開だった。モンテが攻勢をかける場面も幾度かあった。
 しかし、いつもながらのことではあるが、やはりこのゲームでも、この“攻め込む時間帯”に得点ができなかった。
 モンテは、いつもだいたい前半の20分近くまでは攻め込むのだが、ここで得点ができないと20分台から30分台に相手に攻勢を許すのがパターンになっている。最近はこの時間帯の失点が目立つ。小林監督が大事だと言う“試合の入り”を上手く乗り超えても、じつはこの時間帯の方がモンテにとって“魔の時間帯”なのである。

 とくに能力の高い選手がいないモンテは、全員が緊密に連携して戦うことでしか活路を開けない。そしてそれを実践してはいるのだが、この緊張感が不意に途切れ、連携が急に乱れることがある。
 具体的に述べると、味方選手が倒れているのに相手が試合を止めないことにイラついたり、審判の不当なジャッジに抗議したり、相手が反則を犯したからホイッスルが鳴るだろうと看做したりして、ボールや相手プレイヤーの動きから集中が外れた瞬間につけ込まれている。この僅かな時間にかなりの確率で失点している。
 この種の失点が多いため、“やられた”という事実、つまり自分たちの失敗をしっかり自覚することができない。事実の帰結に納得して気持ちを切り替えるということができないから、憤懣を抱いたまま次のプレーに移り、反撃の攻勢も雑なものになってしまう。
 こういうときには、大きな声を張り上げてチームメートを“切換え”の方向に引っ張るムードメイカーが必要である。

 このことを逆から視ると、モンテの得点力の回復はここにかかっているように思える。どんな相手でも連携が乱れたり、集中力が低下したりする時間帯がある。ここを突けると、相手の乱れを増幅させることができる。
 自分たちが技術でも持久力でも相手より劣っているという自覚をもっとはっきりもって、この“潮目”を見定めることが重要である。
 2009年を勝ち抜くことができたのは、まず徹底して護り、我慢強くチャンスを待つという姿勢があったからである。小林監督は、2010年からモンテをより攻撃的にしようと努めているようだが、モンテイレブンは常にパワーとスピードを発揮できるほどの能力をもっているわけではない。アグレッシブな姿勢は評価するが、もう少し“潮目”を視て、ここだという時に攻勢に移るということ、つまりいわゆるギアチェンジの重視を徹底すべきだろう。

 中盤での展開にも感じることがある。モンテのボールコントロールの下手さである。
 テクニックとスピードが相手より明白に劣っているのにその自覚が十分でないから、相手が近くにいるのに味方のパスが通ると思っている。パスは通ったとしても、ボールのコントロール力で劣っているから、近くに相手がいるとすぐさまコンタクトを受けて次に無理なパスを出させられる。
 “自分たちは相手よりヘタだ”という自覚が足りないことを、味方のスローインを相手に奪われる確率と味方のロングパスを相手に奪われる確率の高さが物語っているはずである。
 ようするに、相手がするのと同じようにパスが通る、相手と同じようにボールの保持ができる、と、こう考えてはいけないのである。パスを通すためには、相手がするよりもっと広い隙間を作らなければならない。相手同士なら通るパスでも、味方同士のパスなら、受ける方がもっとスペースに抜け出して広いパスコースを開かなければならない。つまり、相手より激しく動かなければならない。にもかかわらず、相手よりスタミナが劣っている・・・ならば、やはり力を効率よく使うために“潮目”を読む眼が肝要ということになる。

 攻撃面について目立つのは、サイドの切り込みの甘さである。鹿島戦では、ほとんどサイド深くに侵入させてもらえなかったという印象だった。
 田代というFWタレントのいた2010年のみならず、長谷川が活躍して初残留を勝ち取った2009年においても、サイド攻撃が武器だった。サイド攻撃を繰り返すうちにコーナーキックを得て、“得点の匂い”というものがしてくるのだった。2011年は今のところ、このサイドの切り込みができていない。したがって、試合の流れのなかで“得点の匂い”がする時間帯がさっぱり無いのである。
 サイドをもっと深く切り込むことと合わせて、中央攻撃ではMFが自分のレンジに入ったらもっと積極的にミドルシュートを放つべきである。もちろん、最低でも枠内に入るシュートを放たなければならないが、そのシュート1本で決める必要は無い。ヘタなチームはこぼれ玉に押し寄せるという初歩的な戦術を忌避してはならない。
 また、これは今年のモンテでも何回か見られたが、長谷川やジャンボ大久保をバスケットボールのポストプレーヤーのように使ってセンタリングのボールを落とさせ、それに2列目がポイントガードのように走り込んでシュートという攻撃をもっと洗練させ多用してもらいたい。
 また、中盤から前方を走るFWにアシストのパスを出すときは、FWの前方にパスが転がるようにしなくてはいけない。長谷川や大久保のテクニックでは、後ろから鋭角的にきたパスを効果的なシュートにすることは容易ではない。彼らには、その前方にいわゆるマイナスのボールを出してやらなければいけない。いずれにしても、味方の誰かが中盤でボールを持ったら、前線に走りこむMFやDFの数を増やす必要がある。


 さて、いまのところ、言いたいことはこんなところだ。
 一言で言えば、ここまで落ちたら“強くなること”や“上手くなること”をとりあえず諦めて、“勝つこと”を目指してほしい。勝つために強くならなければならないというのは、ちょっと違う。強くなるというのは、いままでできなかったことをできるようになるということだが、この段階ではもうそれはひとまず諦めて、“できることをやる”という方向に切り替える必要がある。
 そのためには、自分たちが“相手に比べて能力の低いチームだ”ということを徹底して自覚することが第一である。

 能力の低いチームが勝つ・・・われわれはその面白さに魅かれて毎度スタジアムに足を運ぶ。なぜなら、どんなに斯界の評価が低くても、勝ったチームが能力のあるチームなのだからである。             (了)






  

Posted by 高 啓(こうひらく) at 22:36Comments(0)サッカー&モンテディオ山形