2007年10月08日

詩集「ザック・デ・ラ・ロッチャは何処へいった?」(その2)






 新詩集『ザック・デ・ラ・ロッチャは何処へいった?』(書肆山田)について、ある女性詩人から感想をお聞きしました。
 その方は以下のようなことを言っていましたが、まず、この詩集の作品の掲載順です。


    1 対痔核
    2 似非メニエル氏病者のグルントリッセ
    3 ザック・デ・ラ・ロッチャは何処へいった?
    4 インチキゲンチュア・デクラレチオン
    5 贈る言葉
    6 ザンゲ坂をのぼる
    7 静かな生活
    8 窓の下ではサイレンが
    9 カタキを討たれる
   10 耳下腺炎の夜
   11 エーテル論
   12 水の女
   13 骨髄ドナーは呻き呟く
   14 新しい人よ目覚めよ

 その方の話では、まず大方の「詩人」、とくに女性詩人だと、最初の「対痔核」の表題とその第一連の表現で、もう半分以上の人が受け付なくなるのではないか。
 ここを通り抜け、2、3、4と読みすすむのにはたいへん骨が折れる。そこを堪えて読み進み、5番目の「贈る言葉」を読むと、“ああ、このひとはけっこう普通の人なんだ・・・”と思えてほっとする。
 すると、6番目の「ザンゲ坂をのぼる」からはずいぶんと様子が変わる。
一見わかりやすい風景なのだが、現実と幻想、時制や場所が異なるシーンが折り重ねられていて、それを読者が自分のイメージとして構成しなければならない。それはそれでまた振り回されるので、最後まで読み通すとかなり疲れる・・・。
 読了後の印象は、連作の短編小説集を読んだような感じだった・・・・と。


 
 昨日、「山形国際ドキュメンタリー映画祭2007」の開催されている山形市七日町に出かけ、八文字屋書店(本店)の郷土関係図書のコーナーを覗いたら、この詩集が10冊平積みされていました。
(八文字屋さん、ありがとうございます。)
 ちなみに、山形市在住の伊藤啓子さんが昨年出された詩集『萌野』は、なんと20冊平積みされていました。伊藤さんの詩集は売れるみたいです。羨ましい・・・。
 なお、『ザック・デ・ラ・ロッチャは何処へいった?』は、仙台の紀伊国屋書店にも配本されていたということです。全国の大都市の書店でご覧いただけるかもしれません。

 写真は、ドキュメンタリー映画祭に併せて七日町で開催されていた「国際ボランティアセンター山形(IVY)」などの主催による『地球の文化祭』や『 MONTO STREET JAZZ FESTIVAL 』の風景です。  

Posted by 高 啓(こうひらく) at 12:38Comments(0)作品情報